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The Champion Logo, in the Hands of Fashion’s Provocateurs, Is Reborn

 

グローバルブランドの象徴的なロゴTシャツがここ最近のトレンドとなり、古着業界的には懐かしいチャンピオンのスウェットが売れている。
そんな中、NY Timesの昨年 12月9日の記事『The Champion Logo, in the Hands of Fashion’s Provocateurs, Is Reborn (Championロゴ、ファッション・プロバカートルの手に引き継がれて「復活」を遂げる)』があまりにも面白かったので、和訳を作りました。

今更全くもってチャンピオンを着たいとも、扱いたいとも思わないけど。Niruiの資本主義のアイロニー的な風刺が、日本のファッションシーンにも届けばと思います。

 

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Championロゴ、ファッション・プロバカートルの手に引き継がれて「復活」を遂げる

 

昨年終わりごろ、ハイファッションであるVetemets(ヴェトモン)が発表した作品の数々が、同ブランドの顔とも言えるアイテムとなった。おなじみのChampion(チャンピオン)の大きな「C」のロゴを180度回転させて「V」のような形にするというおふざけをし、型崩れをしたパーカーに飾ったというあの商品だ。

それに対しライター兼アーティストのAva Nirui(アヴァ・ニルイ)は、その700ドル程度という値段を「高すぎる」と感じた。彼女は企業ロゴを生の素材としてアートに生かす、ブートレッグ系デザイン・プロバカートルの一人でもあった。「出てきたばかりのブランドに、そんな大金で商品を売る権利なんてないと思います」とNirui本人は語っている。そこで、Vetemetsによるブートレッグに目をつけて話題としてとり上げ、さらには問いかけることにより、Vetementsを公然とからかおうとしたのだ。

 

Niruiは、本物のChampionスウェットシャツからその細長いフォルムが特徴の「C」ロゴを抜き取り、Rick Owens(リック・オウエンス)、Chanel(シャネル)、Gucci(グッチ)、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)といったほかのデザイナーのロゴの「C」の部分に縫い付けたものを一つずつ発表した。自分で楽しむために作った作品であり、その写真はNiruiのインスタグラムに、キャプション部分に肩をすくめたような絵文字つきで投稿された。

これについて、「誤解する人が多いのですが、私はファッションブランドを立ち上げようとしているのではありません。みんなを不快にさせるのが私の目的です」とコメントしている。

 

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Vetementsがアメリカのアパレル業界のアイコンの一つでもあるChampionのロゴを小生意気にもブートレッグしたこと、そしてNiruiがさらに小生意気に再ブートレッグしたことにより、同ロゴはハイファッションからストリートファッションにいたるまで、ファッション革命家たちから再び関心を集めることになった。

 

あるときは「C」のみで、またあるときはロゴ全体で、革命家たちの手に渡ったChampionのロゴは、イデオロギーと美に富んだ「白紙状態」として、新しい方向性への基軸として、また新しいアイデアを生み出す礎として生まれ変わったのだ。

 

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新芽を吹きだしたアスレジャー市場に触発されたのか、Champion自身も近年になり、ハイファッション、少なくともミドルファッションの域に乗り込んできている。Todd Snyder(トッドスナイダー)とのコラボレーションはこれで3年目に突入し、昨年はCapsule Show(カプセルショー)やUrban Outfitters(アーバン・アウトフィッターズ)と手を組み、英国のアバンギャルド・アーティストCraig Green(クレイグ・グリーン)によるくたびれたような袖をとり入れた限定アイテムを売り出した。

すでに200点近くを販売したPeltierは、Champion代表とはちょっとした会話を交わしたことはあるが、公式なコラボレーション計画はないとしている。NiruiのほうはChampionと接触がなく、購入を希望するリクエストが相次いだためようやく10点のみ売り上げたところだ。

 

しかし、あくまで消費者資本主義の風刺としてプロジェクトを始め、このブートレッグの流行に参入するつもりはなかったNiruiは、これ以上売る気があるかどうか分からないという。

「みんなが均一的で個性のない服を着ていて気味が悪いと思っていたのです」とNirui。しかも、彼女のデザインを模倣したアイテムを販売するところも多い。それについて、Niruiは「誰かがなにかをブートレッグし、それを私がブートレッグしたものをまたほかの誰かがブートレッグしている」と、大して不思議でもない様子で評していた。

 

reference
https://www.nytimes.com/2016/12/19/fashion/champion-logo-vetements-ava-nirui.html?_r=0
 

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